⏰期間限定⏳ピアノリサイタルQ&A

🅰️「バラード」は物語詩のことです。音楽では「譚詩曲(たんしきょく)」と譯(やく)されることもあります。
日本では、西田敏行さんの「もしもピアノが弾けたなら」や美空ひばりさんの「川の流れのように」が親しい存在です。

音・音楽とことばや物語は、切り離せない関係です。器楽音楽は抽象藝術ですが、各々の作曲家が練り上げる「バラード」は、ことばで置き換えられない世界までも表徴してゆきます。
どこまでも表現の可能性が求められるバラード作品を、束ねてみました。🥕M.E.

↗榎田まさしが演奏するショパン「バラード第4番」の一部です。🎦〈撮影〉2019年9月16日 姫路市文化センター小ホール 🅿️〈ピアノ〉Steinway&sons 💚〈撮影協力〉姫路労音 👕〈衣装〉GUESS ⏫〈編集〉松野迅後援会

🅰️ F.ショパンは、クラシック音楽の作品名としてはじめて「バラード」を登用しました。ショパンの書いた4曲のバラードは、どの作品も考え抜かれた構成力と説得力を持っています。 いずれの作品もバラードの性格を作品に反映させ、充実した可塑性を持つ基本構造を構築しています。ショパンの全作品の中でもとりわけ輝いています。
彼自身の内心には、さらに次なる構想があったのではないでしょうか。その発想見地からバラード第4番を俯瞰しますと、〈ショパンの人生のうちにショパンを識る〉ことができるかもしれません。バラード第4番が、さらに新鮮で斬新なアイデアの発芽として聴こえてまいります。
ショパンが作品名に「バラード」を用いたことで、後世の作曲家がそのアイデアを引き継ぐことになりました。ショパン作品を研究していたC.ドビュッシーの「スラブ風バラード」、J.ブラームスの「バラード」をはじめ、多くの作曲家が作品名に用いるようになりました。✏️J.M.

🅰️ ショパン❖バラード第4番の楽譜エディション(版)について、複数の方からご質問をいただきました。ありがとうございます。
今回のリサイタルに向けて使用しております楽譜は、エキエルEkier版です。ほかに、ヘンレHenre版とペータースPeters版などを見比べながら、取り組んでいます。
ショパン作品の楽譜各版については、『日本人とショパン──洋楽導入期のピアノ音楽』(多田純一著、アルテスパブリッシング刊、2014年、ISBN-13:978-4903951829)を参考にしています。著者多田純一氏の熱心で慎重な研究が、作品のすみずみをより生き生きとした表現に変えてくれます。🥕M.E.

🅰️ F.シューベルトは、数多くの歌曲を作曲しました。1810年から1828年の18年間に(ドイチュ番号がつけられた作品だけでも)965曲を書いています。毎週1曲ずつのペースですね。
とりわけJ.W.ゲーテの詩に曲をつけた「魔王」は、物語詩を音楽作品に昇華させた作品としてよく知られています。
シューベルトこそ「バラード」の作曲家でしょう。「即興曲」と「ソナタ イ長調」をプログラミングしました。どちらの作品も、シューベルトの魅力が沸点に達しています。🥕M.E.

🅰️ F.ショパンの影響を受けたと思われるドビュッシー「スラブ風バラード」の中には、ロシア民謡が取り入れられています。
スラブ語を話す人たちをスラブ民族と称し、中央ヨーロッパ、東ヨーロッパに広がっています。
ドビュッシーは異国的な作品を数多く残しています。さまざまな旋法を用いることで、ドビュッシーが編み出した和声の汎用性の高さが示されています。エキゾチックな香りが、ことばのように立ち上がってきます。私はこの作品にフィボナッチ数列を重ねながら、ドビュッシーの思考を探索しています。
プログラム最後の「夢想」と「スラブ風バラード」は、同時期に作曲されています。🥕M.E.

ℹ️2019年10月27日(日)14:00開演の都城公演では、プログラムにてドビュッシー「月の光」と「スラブ風バラード」を取り上げ、その後カーテンコールがあればアンコールに「夢想」が登場する予定でございます。このページをお読みの方は、ネタバレしないような拍手をお願い申し上げます(^^)。⏰公演事務局

🅰️「水」をモティーフとした作品は、G.ヘンデル「水上の音楽」、F.リスト「エステ荘の噴水」、ドビュッシー「水の反映」などが知られています。
水面に移る心の反映から、水の持つ生命力やエネルギー・光彩を音のパレットに映し出した作品まで多様性に富んでいます。
M.ラヴェル「水の戯れ」は、具象的要素を保ちながら、心持ちの緊張と弛緩が波のように繰り返す研ぎ澄まされた作品です。
どうぞ、多元的な耳を開いてください。 ✏️J.M.

🅰️ L.v.ベートーヴェンは、独自のテーマやモティーフを編み上げ、そして連綿と繰りかえすことで構成をより強固につくりあげてゆきました。
ベートーヴェン作曲の「ソナタ」は、弁証法に基づく「ソナタ形式」で書かれていることはいうまでもありませんが、さまざまなソナタの歩み方を案出し提示してくれました。それらはまさに哲学の領域です。人類の知的遺産です。
ピアノを学習される方にとり親しみのある「第20番ソナタ ト長調」は、華やかな調性感をベースに典型的なソナタ形式で描かれています。 ふたつの楽章から成っていますので「ソナチネ」のように扱われがちですが、ガチ「ソナタ」です。まず心の交通整理から始めたい、と考えています。🥕M.E.

🅰️ ベトナムでは、1973年まで10数年間にわたって戦争が繰り広げられました。1953年ハノイ生まれの作曲家ダン・フー・ファク(鄧 有福)さんは、戦禍の中から作曲活動を開始します。1973年に書かれた「組曲」は、ベトナムの風景や環境、民族の香りをふんだんに取り入れられたピアノ独奏作品です。ピアニストのダン・タイソン(鄧 帯山)さんに献呈され、彼の演奏で公開されています。

「組曲」には、アジア特有の響きやベトナムの民族楽器など盛り込まれ表現されています。田園風景の広がりとそこに生きる人々のエネルギーを、ぜひ感じ取ってください。
ダンさん、そしてベトナムの人々の生きざまこそ「歴史のバラード」として心に染みわたってまいります。🥕M.E.

ℹ️2017年秋の「榎田まさしピアノリサイタル」シリーズ(東京は銀座・王子ホール)で演奏されましたダン・フー・ファク作品は、組曲「ベトナムの花束」でした。今回のプログラムにある同氏作品の「組曲」は、それとは別途の組曲作品です。作品の特定につきまして、各方面へ作品番号などの情報提供が遅くなりましたが、演奏に差し支えない段取りが調っております。どうぞご期待ください。 ⏰公演事務局

🅰️ 本リサイタルの所要時間は、途中休憩をいれて、1時間45分を予定しております。なお、杉並公会堂の終演予定時刻は、 20時45分(午後8時45分)でございます。鳴りやまぬ拍手が続いた場合は、多少延長することも考えられます。
会場の杉並公会堂からJR荻窪駅までは、徒歩約7分です。
いずれも誤差が生じる場合がございます。⏰公演事務局mozart478@yahoo.co.jp

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