ピアニスト えのきだ・まさし Masashi Enokida,Pianist Information

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Pianist
榎田まさし プロフィール Masashi Enokida Profile

1986年12月29日[P.カザルスと同月同日(^^)] 、日本で最も⭐️星空⭐️が美しいといわれる宮崎県小林市で生まれ、5歳よりピアノをはじめる。
中学時代は、駅伝選手?‍♂️として活躍。
大分県立芸術緑丘高校、愛知県立芸術大学を卒業。2012年、愛知県立芸術大学大学院を修了。

大学院在学中より、日本を含むアジアとヨーロッパでソロと室内楽を中心に演奏活動を続けている。また、ハノイ芸大(ベトナム共和国)などでのマスタークラスにて後進のサポートを行なってきた。
ピアノをヴァディム・サハロフ、ベンジャミン・ロー、池田洋子、室内楽を松野迅の各氏に師事。

Pianist MASASHI ENOKIDA was born in 1986 in Kobayashi-Miyazaki, Japan. He began practicing the piano at the age of five.
In 2012, he completed the graduate school of Aichi Prefectural University of the Arts.
He studied under Vadim Sakharov,Benjamin Loh,Yoko Ikeda and Violinist Jin Matsuno.
He has a stage of solo, chamber music and concerto in various parts of the world.

He released the CD of Pau Casals work in 2014, and CD of solo album in 2017. That solo album CD contains the world’s premiere recording of DANG HUU PHUC composition “Drums”. In 2017 he also performed Japan premiere of Đặng Hữu Phúc composition suit “Bunches of Flowers of Vietnam”.

 

⬆️ザーモシチ(ポーランド)コンセルバトワールホールにて Photo by Z.Czernecki 2016.8.10

⬆️リサイタルのリハーサルでトークマイクチェックを行う榎田まさし @王子ホール(東京・銀座4丁目) 2015.10.22 松野迅撮影
⬆アジア現代ピアノ音楽祭に招聘され、吉田隆子「カノーネ」、伊福部昭「盆踊」を演奏。@ソウル[芸術の殿堂]  2016.10.19 撮影 Shin MyoKyun

2018年のアジア公演より・・・・・・

ハノイ・サマーコンサート《ベトナム-日本》2018/7/25  ハノイ芸大ホール ★ピアノ 榎田まさし★ヴァイオリン Bui Tri Dien、松野 迅  ハノイ芸大弦楽アンサンブル ♪ダン・フー・ファク◇ピアノ組曲、バッハ◇2挺のヴァイオリンの為の協奏曲 ほか
ハノイ・スプリングコンサート《ベトナム-日本》2018/2/3  ハノイ芸大ホール ★ピアノ ダン・フー・ファク、榎田まさし★ヴァイオリン 松野 迅  ♪ダン・フー・ファク◇ピアノ組曲「ベトナムの花束」、ベートーヴェン◇スプリングソナタ ほか


2013

⚖会場のロビーには、作曲家・吉田隆子(1910-1956)による「カノーネ」の自筆譜(レプリカ)が掲示されていた。吉田隆子はムソルグスキーの作品・思索を高く評価し、コンサートで紹介していた。
榎田まさしのムソルグスキー「展覧会の絵」を聴きながら【すべての藝術は音楽の状態に憧れている】と語った、ウォルター・ペイター(1839-1894)のことばが起ち上がるリサイタルだった。

2014

⚖このリサイタルを機に、榎田まさしの演奏は、音から音への意思力が増した。リサイタルのプログラムに、他の演奏家が取り上げない作品をちりばめているところからも意欲がうかがえる。ここでのチャイコフスキー「四季」の演奏が、CDアルバム『トロイメライ』へと昇華していった。それは琴線に触れるおだやかな熱演だった。

2015

⚖ベートーヴェン「月光ソナタ」とシューマン「謝肉祭」のテーマに類似性が存在することが、このリサイタルでくっきりと描かれていた。
そこに、モーツァルトとシベリウスというフリーメーソンの作曲家と、土着性にあふれ意思力のするどいカザルスと伊福部昭作品が配置されたプログラムは、人間の多様性を物語っていた。
生きざまを問われた。

2016
⚖BACHとCHOPINをクロスオーヴァーさせたタイトル〈BACHOPIN〉が話題になったリサイタル。
ショパンの自筆譜・初稿譜から練り込まれた演奏は、まさに「ショパンの泉」が湧きいでてくるひとときだった。そこに、榎田まさしの弾くショパンを口ずさみながら聴くポーランドの聴衆のシーンが、美しく重なった。
演奏のすみずみにショパン作品の源泉がバッハにあることが描き出され、バッハの感性・知性をくみとろうとしたショパンの意気込みと守破離精神をリアルタイムでみているような迫力を感じた。

2017
⚖2017年の「榎田まさしピアノリサイタル」は、一夜でシューマン「こどもの情景」とムソルグスキー「展覧会の絵」が取り上げられた。このふたつの「組曲」がクロスする空間に、19世紀の音楽観が息づいていた。
ベトナムの作品は、民族性と前衛的要素が双方クリアに表現され、「作品」が「演奏」により昂揚する一瞬を満喫した。榎田まさしは作曲家からベトナム??に招聘されているという。

2018
⚖メシアンの響きが会場に拡がった瞬間、フランス音楽が和声の結晶であることを全身でもって理解した。続くクープランを挟んでラヴェルが登場するプログラミングに自然に耳がついてゆくのは、各時代の特性をていねいに表現で網羅しているからであろう。後半のドビュッシーは衒いがなく、スロータッチながら音が濁らない好演。ヨーロッパのピアノメカニックを熟知した打鍵とペダリングに酔う。プログラムのラストは、構成をくっきり前面に案出したショパン「幻想ポロネーズ」。ショパンが??フランスで吸収したすべての感性と触れた。✍

2019

2019
⚖ショパン「バラード第4番」という最も難易度の高い作品をリサイタルにプログラミングするピアニストは数多い。しかしその「バラード」(物語詩)がポーランドの「ドゥムカ」にあたり、ウクライナなどに住むスラブ民族に淵源を持つことはあまり知られていない。ドビュッシーの「スラブ風バラード」がそのタイトルのとおり、スラブ民族の発露としてとらえられている。そのながれをくみ出したこのプログラムに、ベートーヴェン、シューベルト、ラヴェルが配置されていると、リサイタル全体がストーリーと詩編に包まれていた。
そこに、ベトナム戦争のさなかに書かれたダン「組曲」が登場した。作曲者が20歳のころの若書きかと思いきや、明日の命をも保証されない環境で書かれた緊迫感に満ちた作品だった。切迫する空気感が音の隙間から漂ってくる。作曲者と直接交流のあるプレイヤーの演奏として、余人をもって代えがたい演奏に昇華した。✍

2020

⚖かねてから「ピアノリサイタル」という時間枠は、ピアノというひとつの楽器をひとりの人間が弾きとおすという概念のもとに会場へ足を運んだ。このコンサートももちろんそのスタイルには違いないが、作曲者の顔ぶれの弾きわけ、アジアとヨーロッパの接点と相違、ピアノ(ベーゼンドルファー・インペリアル)の視点、それぞれの多様性がクリアに浮かび上がり、各々の「作品」が多くの人人の智慧と創造性の結晶であることを強く感じさせてくれた。
そして、歴史の結節点のようなコロナ禍に〈テンペスト〉が鳴り響き、F.リストの〈愛の夢〉が嵐の先の静けさとして収束を祈ってくれた。
ベトナムの民謡「山の湖」がテーマとなったダン・フー・ファクの作品は、自然に包まれたこの地球を護れと、ホールの天を水の精が舞っていた。✍️

2021
Bを頭文字に持つ作曲家を、時代を遡って聴き進むというのは「試み」だろうか。最も現代人に近い作曲家の音からアプローチしてゆくことは「こころみ」ではなく、むしろ快感だった。それも心地良さといった快感ではなく、脳への刺激という意味での爽快感に近かった。
それどころか、ベートーヴェンとバッハが現代性に支えられていることに直結し、いつのまにか時空の移り変わりはボーダーレスとなっていった。「試みだろうか」と考えていたのが昔日となった。

2022
スカルラッティからガーシュウィンまで8人の作曲家がとりあげられたリサイタル。プログラムは、その各々の作曲家の人生にとり重要な作品ばかりが並べられている。これは、音楽史の変遷を可視化するばかりでなく、聴衆の耳の多様化を鮮明に表している。それでいて、スカルラッティの音がシューベルトやショパンの俎上で跳ね、ラヴェル作品の緊張と弛緩が意識の中に自然に溶けこむ体感を得られた。


2023
時間軸に立ち、人の作り出した音楽史が全面にレリーフされるプログラミングと接することが多い昨今、このリサイタルでは冒頭に登場したバッハの半音階がシェーンベルクの12音階と握手して迎えてくれた。
リスト作品に含まれた宗教的要素は、リストが好んで演奏したベーゼンドルファーでは豊かな倍音の中に磨かれていた。
コンサートの最後の音が残っている時、かつての船が北極星を羅針盤としていたことが脳裏をよぎった。

♥不許複製 No Copy,Please♥
作品名の右側にある数字は、おおよその演奏所要時間です。(分 秒)
この一覧表はレパートリーの一部です。

【 日本の作品 】

伊福部 昭(1914-2006)  盆踊 「ピアノ組曲」より      3’40
伊福部 昭    七夕 「ピアノ組曲」より    3’15
吉田隆子(1910-1956)    カノーネ Canone        2’30
尾崎宗吉(1915-1945)   四つの作品∗    約10分
∗ 榎田まさし初演(2014.1)
湯山 昭(1932- )   お菓子のベルトコンベアー 「お菓子の世界」より 1’20
湯山 昭      バウムクーヘン「お菓子の世界」より  2’20
奥村 一(1925-1994)    こねこ  2’30
瀧 廉太郎(1879-1903)  憾 (うらみ)      3’25
山田耕筰(1886-1965)   月光に掉さして Canotage au clairde lune 4’00
林 光(1931-2012)     ゆうぐれ     2’00
三善 晃(1933 -2013)     波のアラベスク 「海の日記帳」より      2’20

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【 日本の作品 】 連弾(4手)

中田喜直(1923-2000)    春がきて、桜が咲いて  「日本の四季」より     2’ 50
中田喜直            ゆりかごの歌    1’50

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【 ショパンの作品 】

ショパン(1810-1849)    ボレロ 作品19   7’45
ショパン      小犬のワルツ      1’50
ショパン     ノクターン 遺作 嬰ハ短調   4’00
ショパン     ノクターン 遺作 ハ短調   3’20
ショパン     ノクターン 作品9-1        5’30
ショパン     ノクターン 作品9-2        4’30
ショパン     ノクターン 作品9-3        6’50
ショパン      英雄ポロネーズ 作品53      6’30
ショパン      マズルカ ロ短調 作品30-4      3’50
ショパン      マズルカ嬰ハ短調 作品41-1   3’30
ショパン      エチュード作品10-5 <黒鍵>   1’50
ショパン      エチュード作品10-10         2’20
ショパン      エチュード作品10-12 <革命> 2’45
ショパン      エチュード作品25-1 <エオリアンハープ>   2’50
ショパン     新しい練習曲より 第3番  2’10
ショパン      コントルダンス              2’00
ショパン      スケルツォ第1番         10’00
ショパン      スケルツォ第3番           8’00
ショパン      幻想即興曲                    4’50
ショパン      24の前奏曲より 第15番 <雨だれ>  6’ 30
ショパン     アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ   15’00
ショパン     バラード第2番    7’40
ショパン     バラード第4番    11’30
ショパン     ソナタ第2番 変ロ短調〈葬送〉 27’00
ショパン     ソナタ第3番 ロ短調           27’00

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【 小 品 】 (ショパン作品をのぞく)

バッハ(1685-1750)        6つの小さなプレリュード         12’40
バッハ  ミュゼット   1’00
バッハ  デュエット第3番    3’10
バッハ マグダレーナ音楽帳より
バッハ マイラ・ヘス編        主よ人の望みの喜びよ          3’20
モーツァルト(1756-1791)       パンとバター(一本指のワルツ)1’30
ベートーヴェン(1770-1827)      なくした小銭への怒り  7’40
ベートーヴェン  エリーゼのために     3’15
シューベルト(1797-1828)    即興曲第2番    5’00
シューベルト    即興曲第3番     6’00
シューベルト    楽興の時           2’00
シューマン(1810-1856)     トロイメライ 「こどもの情景」より     2’30
シューマン 予言鳥  「森の情景」より        3’45
シューマン     楽しき農夫          1’00

ダン・フー・ファク(b.1953)   組曲
ダン・フー・ファク(b.1953)   ベトナムの花束 10’40 ∗
春~雨~愛らしい様子~蝶とかわいい花~太鼓
 ∗榎田まさしが本邦初演(2017.7.19)。
「太鼓」は榎田まさしがCD「トロイメライ」に世界初録音(2017.1)。
ダン・フー・ファク(b.1953)   主題と変奏 ~榎田まさしのために~
⭐️世界初演は、2019年11月17日〈まつのじん稽古場コンサート〉で予定されています。

メンデルスゾーン(1809-1847)  春の歌     2’30
メンデルスゾーン        五月のそよ風       2’10
カスキ(1885-1957)      泉のほとりの妖精  3’00
シベリウス(1865-1957) 樅(もみ)の木       3’00
チャイコフスキー(1840-1893)   舟歌  「四季」より     4’ 50
ファリャ(1876-1946)    火祭りの踊り バレエ音楽「恋は魔術師」より   4’00
ラヴェル(1875-1937)    プロローグ 高雅で感傷的なワルツより  3’00
ラヴェル 水の戯れ 5’40
リスト(1811-1886)   コンソレーション(慰め)第3番 4’20
リスト  葬送      10’30
リスト  愛の夢  4’50
グリンカ(1804-1857)   ノクターン「わかれ」      4’30
ドビュッシー(1862-1918)      月の光 「ベルガマスク組曲」より       4’10
ドビュッシー  夢想  4’30
ドビュッシー スラブ風バラード 6’50
カリンニコフ(1866-1901)    哀しい歌      1’50

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【 ソナタ&組曲 】 (ショパン作品をのぞく)

ガルッピ(1706-1785)  ソナタ第1番 ハ長調 〈エレナ〉 7’30
モーツァルト    ピアノソナタ 変ロ長調KV333     23’00
ハイドン          ピアノソナタ ハ長調 Hob50      12’00
ベートーヴェン     ピアノソナタ第2番 作品2-2   27’00
ベートーヴェン     ピアノソナタ第8番 <悲愴>   19’00
ベートーヴェン     ピアノソナタ第14番 <月光>  16’00
ベートーヴェン     ピアノソナタ第20番ト長調  9’00
ベートーヴェン     ピアノソナタ第23番 <熱情> 22’00
ベートーヴェン     ピアノソナタ第24番 <テレーゼ>    12’00
シューベルト    さすらい人幻想曲          23’00
シューベルト      ピアノソナタ イ長調   22’00
シューマン   こどもの情景   21’00
シューマン       謝肉祭 (カーナヴァル)    30’00
リスト(1811-1886)      波を渡るパウロの聖フランシス         8’00
ムソルグスキー(1839-1881)      展覧会の絵        約33分
プロコフィエフ(1891-1953)       ピアノソナタ第1番 へ短調     8’00
スクリャービン(1872-1915)     ピアノソナタ第2番 <幻想> 11’00
ベルク(1885-1935)    ピアノソナタ 作品1   11’00

モンポウ(1893-1987)    子供の情景     9’30
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【 オムニバス 】

パウ・カザルス(1876-1973)     4つのロマンス      約9分
パウ・カザルス        親密なページ    1’57
パウ・カザルス         サルダーニャ    約5分
バーンスタイン(1918-1990)      タッチ  約10分
プロコフィエフ(1891-1953)      絶望 作品4-3  4つの小品より   3’ 40
プロコフィエフ    悪魔的暗示 作品4-4  4つの小品より     2’25
シチェドリン(1932-  ) フモレスケ       2’10
シマノフスキ(1882-1937)       前奏曲第7番    2’30
アンリ(1818-1891)     ベビーブギ 【ジャズ】  1’20
ガーシュウィン(1898-1937)      3つのプレリュード 【ジャズ】 9’00
ジョップリン(1868-1917)      ジ・エンターテイナー 【ジャズ】    3’50
ジョップリン    ストップタイム・ラグ 【ジャズ】          3’10
ジョップリン    ベセーナ 【ジャズ】      6’00

?世界各地で収集した、楽譜市場に出まわらない楽曲作品のレパートリーコレクションも上記以外にあります。


ダン・フー・ファク「主題と変奏」~榎田まさしのために~

室内楽では、ヴァイオリンとのデュオ作品にレパートリーが多い。 Photo by B.Tsuji @まつのじん稽古場